「banwago station」火曜日担当のみっちょんです!
1月14日は成人の日でしたね。名張市内では、「比奈知ダム」が今年2019年に20歳を迎えるということで「水資源機構木津川ダム総合管理所 比奈知ダム管理所」所長の荒井 稔(あらい みのる)さんにお話を伺いました。
荒井さんも比奈知ダムと同じで、水資源機構に入社して20年、一昨年の4月に「比奈知ダム」に赴任されました。以前は、埼玉県の行田市にある利根導水総合事業所というところで、水路の改築事業の仕事を担当されていたんだとか。水資源機構の業務場所は、この中部の他、関東、関西、四国、九州など全国。 「名張は街と自然が調和してとても住みやすいところです。公園がたくさんあったり、自然が豊かなので子育てにいい環境だと思います。」と荒井さん。
昨年(2018年)の8月に比奈知ダムで行われた「水の週間」の「比奈知ダム施設見学会」では、酷暑だったため、一番人気の貯水池巡視体験を中止するなど規模を縮小し、暑さ対策に重点を置かれたんだそう。前回はなかった地震体験車による地震体験、災害対策車の展示、比奈知ダムペーパークラフト体験などイベント内容を充実させたこともあり、昨年の1.5倍の約450名の方が来場されたそうです。
また昨年12月には、名張市役所環境対策室が環境活動の一環で開催した「比奈知ダム星空観測会」は比奈知ダムも協力。ライトダウンを通じて地球温暖化問題等を考えるということで、比奈知ダムの照明も星空観測時間にはライトダウンをされました。当日は松阪市天体観測施設天文台実行委員会の方が講師となり、レーザービームで星を指しながら分かり易く説明したり、持参して頂いた望遠鏡で綺麗な星を観測したそうです。荒井さんは幸運にも流れ星を見ることが出来たんだとか。
楽しいイベントも企画されている「比奈知ダム」は、高さ約70mの重力式コンクリートダムで、ダムの高さからすると、中規模のダムなんだそう。比奈知ダムの役割は、洪水をダムに貯め込んで、下流に流す量を減らすことで下流の浸水被害を軽減する洪水調節の他、地元名張市、奈良市及び京都府への水道用水の供給、名張川の鮎や田への取水に必要な水の供給、水力発電などです。
比奈知ダムの洪水を貯め込むための容量「洪水調節容量」は900万m3、だいたい大阪ドーム7.5杯分。洪水に備えてたくさんの水を貯められるようになっていますが、想定している規模以上の雨が降れば、当然ダムは一杯になってしまうこともあり、そのような場合は名張市役所など自治体を通して避難をお願いすることもあるので、台風・大雨時には情報収集に心がけて欲しいとお話くださいました。
また比奈知ダムには「天端側水路」といって、大雨が降ったときに下流に安全に水を流す放流設備があり、これが全国に4例しかない珍しい放流設備の形式となっています。ちょうど、ダムの天端道路の下に水路があるような形状になっていて、上流から越流した水がその水路に落ちて真ん中付近から下流に放流されます。夏の施設見学会では天端側水路を開放し、ダム愛好家だけでなく、一般の方にもとても好評だったそうです。
また近年全国的に水害が頻発していますが、比奈知ダムは、青蓮寺ダムや宇陀川上流の室生ダムと連携して名張市の洪水被害軽減を図っています。また、名張の3ダムに加えて、下流の高山ダムや布目ダムなど、木津川ダム総合管理所が管理する5ダムが連携して淀川の下流域に対しも、洪水被害軽減を図っています。容量に余裕のあるダムはたくさん貯め込んで下流に流す量を更に絞ったりして、容量が少なくなってきた他のダムを助けたりしながら、効果的な洪水操作を行っているということを教えて下さいました。
現在、比奈知ダムでは、20周年に向けた記念式典やイベントを企画されています。そして、木津川ダム総合管理所が管理する高山ダムも50周年を迎えるため、そちらについても記念イベントが予定されています。イベント内容等詳細は、決まり次第ホームページやSNSに掲載されます。
木津川ダム総合管理所では比奈知ダムの他に、青蓮寺ダム、室生ダム、高山ダム、布目ダムなども管理しており各ダム異なる特徴があります。各ダムに行き、ダムカードを収集したり、ダムカレーを食べ歩いてみるのもおすすめ!最近は海外からのお客様も多いということで、インバウンドの取り組みとして、木津総管のHPにダム周辺の観光案内の英語版も掲載されているそうですよ。海外のお友達がいる方も、ぜひ、一緒にダム巡りをしてみてはいかがでしょうか。